メリットの大きい雇用促進税制。人を雇うならハローワークに駆け込もう!

従業員の数を増やした場合、雇用促進税制の適用が受けられると税金が安くなるかもしれません。

 

理論上は、従業員を1人増やすごとに40万円の税額控除が受けられます。

 

しかし、期首から2ヶ月以内にハローワークへ雇用計画を提出しなければならない等、要件がいくつかありますのでチェックしてみてください。

適用の要件

細かな要件はたくさんありますが、雇用促進税制の適用を受けるためには以下の3つの要件を満たす必要があります。

 

・従業員の数を2人以上増やす(中小企業の場合、資本金が1億円超の企業は5人以上)

 

・従業員の増加割合が10%以上

 

・ハローワークに雇用促進計画をあらかじめ提出する

従業員の数を2人以上増やす

まず適用年度において従業員が2人以上増加している必要があります。

 

 

 

このケースだと前事業年度末では3人だった従業員が、適用年度においては5人になっているので従業員の増加数については要件を満たします。

 

ここで注意しなければいけない点が2つあります。

従業員が雇用保険の一般被保険者に該当すること

雇ったのが65歳以上である人(正確には65歳になった日以後に雇われた人)、季節労働者は一般被保険者に該当しません。

 

役員自身は雇用保険に入れませんので増加人数には含めません。

 

また役員の家族を雇用保険の一般被保険者に該当する従業員という身分で雇っても増加人数からは除かれます。

 

具体的には

 

① 役員の親族

 

② 役員と事実上婚姻関係にある人

 

③ 役員から生活費の援助を受けている人

 

④ ②、③と生計を一にするこれらの者の親族

 

⑤ 使用人兼務役員

事業年度末において在籍していること

事業年度末において2人以上増えていなければいけないので、2人雇ったものの事業年度末までに1人辞めてしまった場合は要件にあてはまりません。

 

「採用」が要件ではなく「増加」が要件となっているからです。

従業員の増加割合が10%以上

増加割合の計算方法は

 

従業員の増加割合=(適用年度の従業員の増加数÷前事業年度末の従業員数)×100

 

で算出します。

 

 

 

 

このケースだと3人が5人に増えているので

 

従業員の増加割合=(2÷3)×100

 

で66.6%となり10%以上の要件はクリアです。

 

 

 

このケースの場合は、従業員の数が21人から23人に増えているので増加人数については要件を満たしています。

 

従業員の増加割合は、

 

(2÷21)×100=9.5%

 

となり10%未満ですので要件を満たしていません。

ハローワークに雇用促進計画の提出を行う

雇用促進税制の適用を受けるためには本店所在地を管轄するハローワークに雇用促進計画の提出をあらかじめしておかなければいけません。

 

書式は厚生労働省のHPにあります。

 

提出できる期間が決まっており、適用を考えている事業年度が開始してから2月以内に提出しなければ適用を受けられません。

 

3月決算の会社であれば5月末、個人事業主であれば2月末が提出期限です。

 

他の要件にはあてはまるのにこの期間内に計画を提出できておらず適用を受けられなかった事例があるそうです。

 

また適用を考えている事業年度で実際に従業員を増やした場合は、その事業年度が終了してから2ヶ月以内にハローワークから達成状況に対してお墨付きをもらう必要があります。

 

そのお墨付きもらった雇用促進計画の写しを確定申告書に添付してようやく雇用促進税制の適用が認められます。

 

ハローワークでの確認手続きに2週間から1ヶ月程度時間がかかりますので、申告に間に合わせるためにも事業年度が終わったらすぐにハローワークに行きましょう。

その他の要件

メインの要件以外でも細かなものがいくつかあります。

青色申告書を提出している事業者

白色申告ではこの特例を受けることができません。

 

必ず青色申告の承認申請を行いましょう。

適用年度とその前事業年度において事業主都合による離職者がいないこと

自己都合退職や雇用保険の対象でない従業員の退職は大丈夫です。

適用年度における給与等の支給額が比較給与等支給額以上であること

この場合の給与には、役員とその親族などの関係者分は除かれます。

 

比較給与等支給額の計算方法は、

 

前事業年度の給与等の支給額+(前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合×30%)

風俗営業等を営む事業主ではないこと

法律で定められた風俗営業、性風俗関連特殊営業でないこと。

 

ナイトクラブ、麻雀店、パチンコ店、風俗店などは適用を受けることができません。

いくら税額控除してもらえるか

その1の記事で書いた要件も含めてこれだけの条件をクリアしなければいけません。

 

また1人あたり40万円というのはあくまで最大値です。

 

この規定の適用前の法人税額がいくらになっているかで控除額が変わります。

 

中小企業の場合は、その年の法人税額の20%(資本金が1億円超の場合は10%)が控除額の限度になります。

 

2人従業員を増やすと最大80万円の税額控除が受けられる可能性がありますが、

 

80万円の税額控除を受けようと思ったらその年の法人税額が400万円以上でないと満額の控除が受けられません。

 

利益が出ていることが前提ですが、事業が拡大していて従業員の増加が決まっているなら検討してみましょう。

まとめ

雇用促進税制は書類の提出だけで受けることができるのがメリットです。

 

また要件を満たせば何度でも適用を受けることができます。

 

数少ない支出の伴わない(新しい従業員の給与は除く)節税策ですので、要件にあてはまりそうなら書類の提出だけでも済ませておきましょう。

 

平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に開始する事業年度(個人事業主は平成28年1月1日から平成30年12月31日)が対象です。