経理初心者の方が仕事を初めて戸惑うのが消費税の処理ではないでしょうか?

 

なぜなら簿記の試験には消費税の判定は含まれていないからです。

 

実務の中では一つ一つの仕訳を処理していく時に、その取引に消費税が課税されているのかどうかも判断しなければいけません。

 

領収書やレシートに消費税の金額が書かれていないから消費税が課税されていないわけではありません。

 

そういった判断で仕訳の処理を行っていると、実際より多く消費税を納めていることになっている可能性があります。

 

消費税の非課税取引は法律でその範囲が決まっています。

 

まずはこの記事を読んで、消費税がかからない非課税取引があることを覚えてください。

 

きっと今までより経理処理が楽になるはずです。

消費税の取引分類

消費税では取引を以下の図のように分類して消費税がかかるかどうかの判定を行います。

 

今回のテーマである非課税取引はオレンジ色になっています。

消費税では、取引を国内取引・輸入取引・国外取引の3つに分類します。

国内取引

国内取引はその取引が資産の譲渡等にあてはまるかどうかで取り扱いが大きく変わります。

 

資産の譲渡等とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付け、サービスの提供を言います。

 

最初のポイントはその取引が「事業として」に該当するか。

 

例えば、資産の譲渡であっても個人間の売買(ネットオークションなど)には消費税がかかりません。

 

次にポイントとなるのが、対価つまりお金をもらうかどうかです。

 

無償でのやり取りについては消費税はかからないということです。

 

資産の譲渡等に該当しても後述する非課税取引に分類されると消費税はかかりません。

 

国内取引→資産の譲渡等→課税資産の譲渡等というステップを経て、消費税が課税される取引だという判断が行われます。

輸入取引

海外から商品などを仕入れた場合、後述する非課税取引に該当しなければ消費税がかかります。

 

課税される消費税は税関で納めることになります。

国外取引

海外での資産の譲渡、資産の貸付けやサービスに関しては不課税取引という判断を行います。

 

ただし、日本の消費税がかからないだけで海外にも消費税と似た性格の税金は存在します。

消費税の非課税取引とは

消費税では、課税対象とすることになじまないものや政策的に課税することが適当でない以下の13項目をあらかじめ消費税のかからない非課税取引として定義しています。

 

次の取引が非課税取引であることを覚えておけばその取引に消費税がかかるかどうか迷うことは少なくなります。

国内取引

1.土地の譲渡や貸付け

土地には、借地権、地上権、永小作権などの土地の上に存する権利も含まれます。

 

ただし、貸付期間が1ヶ月未満の場合や駐車場の貸付けなど施設の利用に伴い土地が使用される場合は、非課税取引に該当せず消費税がかかります。

2.有価証券や支払手段、これらに類するものの譲渡

  • 有価証券とは、株券、投資信託の受益証券、国債証券、公債証券、社債券など
  • 支払手段とは、現金(紙幣、硬貨)、小切手、手形など
  • 類するものとは、証券の発行がない株式、投資信託、国債、公債、社債など

 

なお、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権や収集品(記念紙幣やコインなど)である支払手段には、非課税取引に該当せず消費税がかかります。

3.預貯金の利子、保険料を対価とする役務の提供など

国債、社債、預金、貯金及び貸付金の利子が非課税。

 

また保証協会などに支払う信用の保証料、保険会社に支払う保険料、割賦販売やリース取引の手数料のうち利子や保険料に該当するものも非課税取引です。

4.切手、印紙、証紙、物品切手の譲渡

郵便局や印紙売りさばき所で購入する切手、印紙は非課税です。

 

注意すべき点としてあげられるのが、コンビニで購入する切手、印紙は非課税ですが、金券ショップなどで購入する切手、印紙は非課税ではありません。

 

これは日本郵便株式会社からの委託を受けているかで取り扱いが変わるからです。

 

物品切手とは、商品券や図書カード、プリペイドカードなどのことを言います。

 

物品切手そのものの購入は非課税取引ですが、例えば図書カードで書籍を購入する場合のその書籍には消費税がかかります。

5.国や地方公共団体が行っているサービスで、法令に基づき料金がかかるものや外国為替業務に係る役務の提供

登記や資格の登録などの際に支払う手数料や、住民票などの交付サービスを受ける際に支払う手数料が非課税です。

6.健康保険法等の規定に基づく一定の資産の譲渡等

健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療などが該当。

 

ただし、美容整形や差額ベッド代などの自由診療及び市販されている医薬品を購入した場合は、非課税取引に該当せず消費税がかかります。

7.介護保険法に基づくサービスの提供、社会福祉事業として行われる資産の譲渡

介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどが非課税

 

ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価には消費税がかかります。

8.医師等による助産

医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供で、妊娠しているか否かの検査、妊娠していることが判明した後の検診、入院、分娩の介助などが非課税

9.埋葬料や火葬料

墓地、埋葬等に関する法律に規定する埋葬や火葬

10.身体障害者用物品の譲渡や貸付け

義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの

11.学校教育法等に規定する教育

授業料、入学金及び入園料、施設設備費、入学又は入園のための試験に係る検定料などが非課税

12.学校教育法に規定する教科用図書の譲渡

文部科学大臣の検定を経た教科用図書(いわゆる検定済教科書)及び文部科学省が著作の名義を有する教科用図書などが非課税

13.住宅の貸付け

契約において人が居住用として利用することが明らかにされているもので、貸付期間が1ヶ月未満の場合は除きます。

 

店舗付き住宅や駐車場付き住宅の場合の店舗、駐車場部分については非課税取引に該当せず消費税がかかります。

 

居住用でなければいけないので旅館、ホテルの宿泊代は該当しません。

輸入取引

国内取引と同じように輸入取引にも非課税の規定があります。

 

実務の中で発生することはほとんどないので、こちらは参考程度に確認するだけで大丈夫です。

 

有価証券等、郵便切手類、印紙、証紙、物品切手等、身体障害者用物品、教科用図書が非課税取引。

まとめ

13項目を全て覚えるのは少し大変かもしれません。

 

まずはお勤めの会社の業務上、よく出てくるものだけでも覚えてみましょう。

 

特に切手や印紙の取り扱いは購入場所で変わってくるので注意が必要です。

 

また貸付期間によって課税・非課税が変わってくるものもありますので、しっかりと取引の内容にも目をむけて日々の処理を行いましょう。

 

お問い合わせボタン