暗号通貨を代表するビットコインの取引は消費税の非課税取引になります

お客様に触発され、今年に入ってビットコインを遊び半分・研究半分で購入してみました。

 

1年前は1BTC(BTCはビットコインの単位)が5万円くらい、今年の頭で10万円ちょっとくらいだったのが5月下旬に急騰し、30万円を超える価格をつけました。

 

まだまだ十分とは言えませんが少しずつ法整備も進んでいて、消費税の取り扱いは平成29年7月1日から変わります。

 

そんなビットコインなどの暗号通貨の消費税上の取り扱いについてご紹介します。

ビットコインの平成29年6月30日までの消費税の取り扱い

これまでビットコインを含む暗号通貨は、政府の見解では通貨・外国通貨・有価証券のいずれでもなく、「モノ」という認識をされていたので消費税の課税対象となっていました。

 

例えば、100万円分のビットコインを売買すると、そのうち8%は消費税となります。

 

事業として1,000万円を超えるビットコインの取引を行うと納税義務が発生するという取り扱いでした。

 

しかし、海外では暗号通貨の取引に消費税を課税しない国が多く、日本だけが消費税の課税対象となっていました。

 

そのため金融庁が法案を提出し、消費税の取り扱いが変更されることになりました。

ビットコインの平成29年7月1日以後の消費税の取り扱い

これまで「モノ」としての位置づけであったビットコインは、7月1日以降「支払手段に類するもの」として位置づけられ消費税上は非課税となります。

 

消費税上の支払手段とは以下のようなものです。

 

  1. お金(銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨)
  2. 小切手、為替手形、郵便為替、信用状
  3. 約束手形
  4. 上記に類するもの
  5. 電子マネー

 

ただし、これらの支払手段であっても収集品や販売用のものは、支払手段ではなく通常の商品に該当し消費税がかかります。

 

例えば、記念硬貨や古銭などが該当しますが、ビットコインに関してはこういった例外規定は想定されておらず、一律非課税となります。

課税売上割合の計算も変わります

あまりビットコインの売買を事業として行っている個人や会社はないかと思いますが、取り扱いが変更となることで消費税の計算方法にも影響があります。

 

これまでビットコインは消費税の課税対象でしたので、この図のように課税売上割合を計算するときには分母・分子の課税売上高に含まれていました。

 

 

今年の7月1日以降は、ビットコインは消費税の非課税となります。

 

しかし、ビットコインの売却収入が分母の非課税売上高に含まれるかというと含まれません。

 

 

次のものは消費税の非課税取引ですが、課税売上割合を計算するときに非課税売上高には含めないと決められています。

 

  1. 支払手段の譲渡→ビットコインの取引はここに該当
  2. 買戻条件付債権譲渡(売現先取引)
  3. 売掛金などの金銭債権の譲渡

 

間違えて非課税売上高に含めてしまうと納税額に影響があるので注意が必要です。

まとめ

昨年から国内でのビットコインの取引量は右肩上がりで増加しています。

 

今年に入ってビットコインの価格が急騰したことや、テレビや新聞で取り上げられる機会も増えてきたのでこれまで暗号通貨に興味がなかった人が取引に参加するようになっているかと思います。

 

しかし、消費税の取り扱いは決まりましたが、所得税に関してははっきりとした見解が国税庁から出ていません。

 

今年の盛り上がりから考えると、問い合わせも増えてきていると思います。

 

おそらく平成29年度の確定申告が始まるまでに、国税庁から取り扱いに関する発表があるのではと考えています。