皆さんは、住んでいる部屋の家賃を年間いくら支払っていますか?

 

以前であれば収入の30%までが目安と言われていました。

 

最近では20〜25%くらいが目安だと言われているようです。

 

それでも年収のかなりの部分を住宅の家賃が占めていることに変わりはありません。

 

その住宅の家賃が、法人の経費になればかなりお得だと思いませんか?

 

借り上げ社宅制度を利用すればその家賃は経費になりますよ。

住宅手当・家賃補助は課税、借り上げ社宅は非課税

それなりの規模の法人ですと、住宅手当や家賃補助といった名目で法人が住宅家賃の一部を負担していることがあります。

 

この負担部分は、給料の一部となります。

 

給料ですので所得税や住民税、社会保険の対象です。

 

結果としてもらった人の負担が増えることになってしまいます。

 

これを回避するために、福利厚生の一環として借り上げ社宅制度を導入します。

 

居住用のマンションなどを法人名義で契約します。

 

その部屋を役員・従業員に貸し付け、法人が支払う家賃の一部を役員・従業員から徴収するという方法です。

借り上げ社宅のメリット

役員・従業員が契約している住宅の家賃は法人の経費にはなりませんが、借り上げ社宅の家賃は法人名義での契約ですので経費になる。

 

役員・従業員から家賃の一部を徴収するのでその金額は収入となりますが、徴収する金額が家主に払う金額と比べてかなり安い。

 

住宅手当・家賃補助だと税金、社会保険の対象となるが、借り上げ社宅だと負担は増えない。

借り上げ社宅のデメリット

メリットだらけの制度ですが、導入時に多少の手間はかかります。

 

すでに借りている部屋を社宅とする場合には、大家さんと賃貸契約を結び直す必要があるからです。

 

事務所利用ではないので断られることはないと思いますが、名義変更手続きで手数料が発生します。

 

また法人の印鑑証明、履歴事項全部証明の提出や保証人が必要になるので数週間は時間がかかるかもしれません。

役員・従業員から徴収する金額の算定方法

役員・従業員に負担してもらう金額は法人が勝手に決めていいわけではありません。

 

徴収する金額の算定方法は、所得税法基本通達で定められています。

 

役員に社宅などを貸したとき

 

使用人(従業員)に社宅や寮を貸したとき

徴収金額(賃貸料相当額)の計算

役員に対して床面積が99㎡以下のマンションの一室を社宅として貸し付けた場合を想定しています。

 

役員からは下記1〜3の合計額である一定額の家賃(賃貸料相当額と言います。)を徴収します。

 

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2.  12円×(その建物の総床面積(平方メートル)÷(3.3平方メートル))
  3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 

仮に、役員から賃貸料相当額を徴収していなければ、その賃貸料相当額が給料として課税されてしまいますので注意が必要です。

 

また、賃貸料相当額より低い家賃しか受け取っていなければ、賃貸料相当額と受け取っている家賃の差額が給料として課税されてしまいます。

 

対象となる住宅はその広さに縛りが設けられています。

 

建物の耐用年数が30年以下の場合(木造の住宅など)には床面積が132㎡以下

 

30年を超える場合(鉄骨鉄筋コンクリートなど)には99㎡が小規模な住宅としてこの計算の対象となります。

小規模な住宅でない場合

社宅が小規模な住宅でない場合、借り上げ社宅制度が使えず経費計上できないかというとそうではありません。

 

その社宅が自社所有か賃貸かで、賃貸料相当額の計算方法が異なります。

 

1.自社所有の場合

 

次の①と②の合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

 

①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%

 

ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

 

②(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

 

2.他から借り受けた住宅等を貸与する場合

 

会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、小規模な住宅と同じ計算方法で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

固定資産税の課税標準額とは

固定資産税の金額を計算する際の基準となる金額です。

 

固定資産税はこの課税標準額に1.4%(自治体によって異なる。)を乗じて計算されます。

 

この固定資産税を納めているのは、土地や建物の所有者である大家さんですので、通常は部屋を借りている側がその金額を知ることはありません。

 

ただし、社宅の賃貸料相当額を計算するためには固定資産税の課税標準額が必要ですので、住んでいる場所の市町村役場で書類の発行の手続きを行いましょう。

 

賃貸契約人であれば申請は可能ですが、自治体によって取り扱いが異なるので先に問い合わせしておくことをおススメします。

 

寝屋川市の申請書はこのようになっており、本人以外は委任状・代理人選任届が必要となっていました。

 

確認はしていませんが、賃貸契約人であれば委任状は必要ないかもしれません。

 

 

寝屋川市の場合だと、評価証明が取得できれば課税標準額もわかります。

実際にどれくらいの金額が経費になるのか

以下の数字を使って計算してみます。(実際に存在する物件の数字を少しいじっています。)

 

建物 固定資産税の課税標準額 1,950,000円

 

建物の総床面積 38㎡

 

土地 固定資産税の課税標準額 332,000円

 

大家に支払う家賃 84,000円

 

  1.  1,950,000×0.2%=3,900円
  2.  12円×38㎡÷3.3㎡=138円
  3. 332,000×0.22%=730
  4.  1+2+3=4,768円

 

実際の家賃84,000円に対して、賃貸料相当額は4,768円になりました。

 

法人で賃貸契約を結び、役員の給料から毎月4,768円を徴収すると、大家に支払う84,000円との差額79,232円が地代家賃として法人の経費になるということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

物件にもよりますが、所得税法基本通達に従って賃貸料相当額を計算すると家賃の90%前後が法人の経費として計上することができます。

 

最近ではなかなか求人を出しても応募がこないそうなので、福利厚生の一環として借り上げ社宅制度を導入してみてもいいかもしれません。

 

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